わかめ!presents ド・ゲロンチョリー!

僕は今実家にいる。

理由はよくわからないが、親に連れられて。
一週間過ごす予定だそうだ。
そして今は3日目の夕方。昼から母さんと出かけていて今帰ってきたところだ。

「ただいまーぁ」
「ただいま」
「おかえりーー」
風呂場からばあちゃんの声がする。風呂掃除でもしてんのかな、と特に気にも留めなかった。  お腹空いたなと思い、何か軽く腹に入れようと思って台所に向かう。



…トントントン…


ん?台所から調理する音が聞こえる。

ちょっとまてよ、誰が料理してるんだ?
家には俺、母さん、ばあちゃんの3人しかいないはず。
恐る恐る台所を覗いてみると…


愛生ちゃんがいた。エプロンを着て包丁を持ち人参を刻んでる愛生ちゃんがいた。


「…………!?!!!???!??!?!!!?!???」

どうやら僕は疲れてるようだ。
部屋に戻って寝ようと思った時、
「どうかした?」
と話しかけられた。
いや、どうかした言われても、こちらは動揺してるんだい。
僕の大好きな愛生ちゃんがばあちゃん家の台所でエプロン姿して調理している。
これほどおかしなことは無いだろう。
「あ、いや、えと、なんもないです…」
ああ、チキンだ僕。


どうやらばあちゃんと愛生ちゃんは何か知らんが知り合いらしい。
それで、僕が帰るまでは少なくともいる、と。


これはフラグか?



なんか愛生ちゃんおかしい。
もしかしたら愛生ちゃんってこう言う人なのかな。

なんかすごい冷たい。
何か話しかけると、
「何?」「今忙しいから」
とそっけなく返される。


そんな日が続いて気がつきゃかえる前日。
僕は勇気を出して愛生ちゃんに
近づく。

「サインください」
「なんで?」

え?なんで?なんでってそりゃ欲しいからだよ愛生ちゃん。そこをなんでと言われても言葉返せないよ。

愛生ちゃんは立ち去ってしまった。
ああ、泣きたい。

でもこのまま引き下がれない。
この日は愛生ちゃんにアタックしまくった。
そうすると最初は鬱陶しい顔をしていたが徐々に顔色を変え、少しずつだがしゃべってくれる様になり、その日の夜にはもう普通に打ち解けていた。

「あぁ、やっぱり愛生ちゃんだ」


そして僕が家に帰る日。
多分これで帰ってしまうともう愛生ちゃんとは一生会えない。
そう思うとすごく悲しくて。切なくて。
そんな時に愛生ちゃんが手紙をくれた。サインを添えて。そして抱きしめてくれた。
僕は涙が止まらなかった。
愛生ちゃんの体はすごくやわらかく、いい香りがした。


車に乗り、手紙を開いた。
そこには愛生ちゃんのメールアドレスが書いてあった。
「何かあったらここに連絡してください。」と可愛らしい字で。

僕は飛び跳ね喜んだ。
これで愛生ちゃんと連絡がとれる!




こんな恥ずかしい妄想何を書いとんだ、と思ったでしょ?
違うんだな。

これ、一昨日マジで見た夢。
起きた瞬間今までで経験したことのないくらいの激萎え。

この日ほど愛生ちゃんを思った日は無い。帰省したらまずは写真集を開こうと心に誓った。


adeiu